2014年09月19日

二重投稿は禁止

すべての新人賞において、記載されている、
されていないに関わらず、二重投稿は禁止です。

二重投稿とは、応募した新人賞の落選を待たずに
別の新人賞に応募することです。

応募した時点で、作品の出版権はその出版社にあります。
落選によって、出版権は著者に返ってきます。

ですから落選を待たないで、同じ作品を別の新人賞に
応募することは、出版業界のルールに反することです。

また「一度落選した作品」にも書きましたが 
近年、使いまわし作品を嫌う傾向にあります。

物語の主題を見つめなおし、展開も大きく変えなければなりません。
ミステリーであれば、犯人を変えるくらいの変更が必要です。

さらに、小説を大きく書き換えても、
ほかの新人賞に応募していたことが
発覚した時点で落されることもあります。

最近の流行りで、ネットで応募作の講評を
公開している新人賞が増え、誰かが気づくこともあります。

同じ作品を単純に使い回すのだけはやめましょう。


新人賞のとり方
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車(セダン)新人賞の選考とは
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車(セダン)二重投稿は禁止

posted by かつき at 15:23| 新人賞のとり方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月06日

受賞作から学ぶ

受賞作を読むのも、新人賞受賞のためには必要です。

このブログでは受賞作の書評も書いていますが
ぜひ、ご自身で受賞作を読んでください。
必ず得るものがありますし
さらに新人賞が近づいてくるでしょう。

第29回(1983年)江戸川乱歩賞を受賞して
デビューした高橋克彦は
『小説家 直木賞作家になれるかもしれない秘訣』のなかで
江戸川乱歩賞の過去の受賞作を10年分読み
その受賞の傾向と対策を練ったことを披露しています。
彼は見事、1回目の応募で江戸川乱歩賞を受賞しています。

その江戸川乱歩賞受賞の秘訣とは
 ・自分の熟知している世界を書く
  そのためには履歴書でアピールすることも大切。
 ・連続殺人で3人は死ぬ。
 ・原稿の字をきれいに書く。
 ・小説の舞台を離れたふたつの土地で展開させる。
 ・図版、地図などビジュアルを入れる。
 ・自分の本音を入れる。
 ・倒叙法で書く。
もう20年以上たち、この傾向も変わってきていますから
これがそのまま使えるわけではありません。

熟知している世界を書くのはどの小説でも
成功するひとつの方法です。
しかしただ熟知していればいいわけではなく
高橋克彦は資料を駆使した手法の小説でもいい、
ということに着目しました。

これは自分の思考法、メンタリティなどと
深く関わってきます。
自分でもできることを発見するのは
自分でしかできません。

また書き手の視点で読むことで
書き手の意図がわかります。
それは自分の小説作法の幅を広げることになります。
そこから自分が書くべきテーマが
見えてくることもあるでしょう。

また数多く読むことで見えてくる傾向、
共通することなどもあります。

自分で受賞作を読むメリットは計り知れません。
最近5年間の受賞作、できれば10年分は読みたいですね。


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posted by かつき at 09:47| 新人賞のとり方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

選評から選ぶ

新人賞をとるために、選評を読むことも必要です。

選評には、その新人賞を目指す人全体への語りかけが
書かれている場合があります。
どんな作品を望んでいるか、どんな賞であるかがわかります。
新しく設立された新人賞の場合にはそれが顕著です。

例えば、ミステリーズ!新人賞は
ミステリー色が強くないと受賞できません。

「『眠り姫』を売る男」は、イギリスの獄中を舞台に、
ファンタジーとホラー要素を濃厚に盛っている。
盛りすぎて、ほとんどミステリでなくなっているのが難点。」
(第3回選評 有栖川有栖)


この指摘はほかの選考委員もしています。
落選理由はこの点だけではないのですが
この作品は最終選考で落ちています。
ミステリー色を強くすることが当選の条件ということが
選評から読み取れます。

つまり選評から受賞の傾向と対策が学べます。

さらに、応募作の水準が下がっている新人賞を見つけられます。
欠点が挙げられたにもかかわらず、
受賞してしまったケースなどは、それが考えられるでしょう。

自分の応募する新人賞だけではなく
同じジャンルの新人賞には目を配っておくことも大切です。

もちろん選評に書かれている個別の指摘から
学ぶことは言うまでもありません。

文章力、プロット、人物造形、トリックなど
選考委員が指摘する部分はクリアしたいですね。
特に応募作のダメなところ、多い間違いは
選考委員も意図的に書き出しますので参考にし
それを超えるものを書くように心がけます。

たとえば文学系でいえば
最近「下流小説」がたくさん応募されるのですが
それについて第104回(2007年上半期)文學界新人賞で
浅田彰が

「絶望さえもてない「下流」社会の現実をリアルに描けば
それでいいという作品が、最近多すぎるのではないか。
それは真摯に見えて実は文学の(また生の)可能性を
なめてかかった態度と言うべきではないか。選考委員会で
辻原委員の漏らされたこの怒り(むろん「消滅」という
個別の作品に向けられた怒りではない)を私も完全に共有する。
その意味でも、良かれ悪しかれ下流リアリズム小説とは
対極的な二つの作品が受賞作となったのは、
意味のあることなのではないか。」


と記しています。

下流小説に関してはほかの新人賞の選考でも話題になったり
「プロレタリアート小説の再来」といった
間違った解釈がされたりしています。

しかし現実、若者の乗り越えられない格差社会の現実がある以上、
それが文学や作品に反映されるのは仕方がないですし
書き手もその希望のない状況が重要なテーマになるでしょう。

その上で選考委員が
「リアルに描けばそれでいい」
と感じる作品でしかないことも確かです。

この下流社会を小道具としてでも小説に盛り込む時には
注意が必要でしょう。

またエンターテインメントでは
さらに小説の技術について言及されていることが
たくさんあります。

たとえば第19回小説すばる新人賞で五木寛之は

「もし不満をあげるとするなら、読者がみずからの感慨として
読後に発見するはずの思いを、作者が先に説明してしまう傾向が
ある点だ。」


井上ひさしは、
 
「全編を通して小説的道具を順序正しく並べすぎたのではないか。
思い切ってまぜこぜにしたら、物語の熱気も生まれたはずだが。」


北方謙三は、

「全体的に都合のいいストーリーになっているのは、偶然を
多用しすぎたためであろう。散歩の途中で山田に会うのも偶然、
ハットリの家の前でリンチに遭うのも偶然。小説の要になる
部分だから、偶然さえ読後は必然であったと思わせる、
小説的昇華がいまひとつ足りない。それは、思いつきの先行と
いうことになる。」


第87回オール読物新人賞では、伊集院静は

「ところが読んで行くうちに物足りなさを感じはじめた。
善い人ばかりが目立って、真三郎が道を外した悪の世界までが  
画一化されてしまった。悪の不気味さが見えない。」


桐野夏生は

「小説は生き物だから、がちがちに構成するとたちまち元気を
失ってしまう。」


など、その作品を読んでいなくても、
小説を書く上で勉強になります。

偶然が多い小説。
いい人ばかりの小説。
これらが読者をどれだけ醒めさせるかは
小説指南書にも書かれていますが
実際に選評で読むと臨場感が違います。

五木寛之の指摘する書きすぎの小説は
とても難しいですが、これがクリアされれば
新人賞をとった後も活躍できる書き手と
確信される作品になるでしょう。


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posted by かつき at 09:43| 新人賞のとり方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月18日

新人賞の選考とは

新人賞選考において、ふたつの評価基準が存在すると思います。
それは絶対評価と相対評価です。

絶対評価は、テーマ、構成力、表現力、人物造形力、
ストーリーテリングといった作品そのものの力、
そして小説家としての素質、将来性、オリジナリティといった
個人の力が評価されます。

第一次選考では絶対評価されます。

新人賞によりますが、第二次選考では、
その編集部としての考え方を取り入れた絶対評価がなされます。

第三次あるいは最終選考では、絶対評価と相対評価で評価されます。
選考委員や編集者がどこまで意識しているかはわかりませんが
「このなかで一番はどれだ?」と選ばれることもあります。
少なくとも、他の候補作と比べられるのは必須ですね。

例えば、同じ候補者の中で去年も選ばれた人がいたら
「成長したね」など評価が上がることもでてくるでしょう。
その他、編集部の内部事情もあります。

そのような不測の事態のなかでも、どうやったら新人賞をとれるか?
もうこれは、どんな条件の最終選考になろうとも
それらを凌ぐ、絶対評価での高評価をとれる作品を
書き上げることだけです。

誰がなんと言おうと圧倒的な強さ、個性を持った作品です。
これは、たった一人で、その小説家が学び、
身につけたものだと思います。

もちろんきっかけはいろいろでしょう。
読書であったり、小説の創作教室に通うことであったり
書評を誰かに読んでもらったりすることだったり。

どんな方法であれ、学び、成長するのは書き手の力です。

絶対的な力、情熱、個性をもった作品を書き上げれば
どんな新人賞選考も怖くはないのです。


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posted by かつき at 12:43| 新人賞のとり方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月17日

一度落選した作品

新人賞についての本やサイトなどでよく言われることに
「落選になった作品を別な賞に再応募するのはムダである」
というのがあります。

その理由として
1 落選した作品には、落選する理由があり、
それを直さない限り、どこの賞でも落選するので、ムダ。

2 下読みといわれる第一次選考者が
別の賞の下読みも掛け持ちしていて
同じ人に当たる頻度がかなり高い。
少々の手直しで応募すると最悪の場合
「この作品は一度落選したものを再び応募したもの」
として、落とす。

確かにこの理由は頷けます。

また、私のところにもそのような質問のメールがよく届きます。

でもこのブログを読んでいる人にとって
小説を書くというのはおそらく「初めて」か
「書き始めて2、3年」という人が圧倒的だと思うので、
その人たちに向かって
この理由は乱暴すぎるとも感じています。

確かに新人賞応募原稿には、書き直してもダメだろうな
と思われるテーマや題材を選んでいることもあります。

例えば、流行の題材をモチーフにしたもの。
純愛が流行れば純愛、癒しが流行れば癒しなど。
人気映画や人気テレビドラマの二番煎じのような作品など。

しかし小説初心者にとっては
「小説を書くこと」そのものが
わかっていない場合が多いのです。

思いつきをそのまま書いていて、テーマやモチーフ、
構成も練られていないような作品です。
つまり掘り下げが足りない。

そのような小説に対しての態度、アプローチを変えない限り
どんなに多くの小説を書いてもそれこそムダです。

ご自分が「これ!」と思ったテーマや題材を
一度とことん書く。
出来上がったものを第3者に評価してもらい、
そのうえでさらに書き、最終的には自分で納得できるまで書く。

そうしてようやくおぼろげながら「小説を書くこと」が
見えてくると思います。

ですから新人賞に落選した作品が
すべてダメというわけではないのです。
小説の書き方、小説へのアプローチが
間違っている場合もあります。

ひとつの作品をとことん書くことは絶対に必要です。

ただ、最近の傾向として、他の新人賞に応募した作品は
大きく手直しをしても「使い回し」として
落選させる傾向にあります。

ひとつの小説しか書けないとデビュー後、続かないからです。
出版社としては即戦力になる新人作家が欲しいので
デビュー後、1年以内に新作が書けない作家は避けたいからです。

このふるいを避けるには
同じ作品を別の新人賞でも連続して応募しないことです。

ほかの小説を書き、それを応募してから
落選した作品を応募するようにして、ムダな応募を避けてください。


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