書評 第20回日本ミステリー文学大賞新人賞 『木足の猿』

第20回(2016年)日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作 『木足の猿』 戸南浩平 明治となっても友人の敵討ちのために奔走する奥井隆之。武士の魂を忘れられない。しかも彼は事故で左足の膝下を断絶し、義足となっています。木製の義足と皮膚のこすれ合いが痛々しい。 世の中では南蛮人連続殺人が起き、それに奥井と、元忍びの玄蔵が挑むという、時代小説っぽい雰囲気とハードボイルドをかけあわせています…

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書評 第15回「このミステリーがすごい!」大賞 『がん消滅の罠』

第15回(2016年)「このミステリーがすごい!」大賞受賞作 『がん消滅の罠 完全寛解の謎』 岩木一麻 ステージ4の末期がんが消える――。今や日本人の二人にひとりはがんに罹る時代なので、このテーマは興味をそそられます。 しかし、文章がまわりくどい。出版に当たって加筆されているようですが、推敲されていない文章が多く、その感覚がわかりません。 さらに医療小説なので当然説明が多くな…

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書評 第29回小説すばる新人賞『星に願いを、そして手を。』

第29回(2016年)小説すばる新人賞受賞作 『星に願いを、そして手を。』 青羽 悠 あまーいタイトルから不安はありましたが、内容もあまいもので、どうしてこの作品が受賞したのかわかりません。 中学時代の同級生祐人、春樹、理奈、薫の4人は、25歳で再会をします。毎日一緒に過ごしていた仲良しでも、この頃になるとほとんど連絡を取らず、祐人が地元の役所に就職したにも関わらず、会っていません…

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書評 第8回日経小説大賞『姥捨て山繁盛記』

第8回(2016年)日経小説大賞受賞作 『姥捨て山繁盛記』 太田俊明 日経小説大賞も年々軽くなっていきますね。 タイトルも内容を表わし過ぎて、本を開く前から読んだような気になりますし、物語も予定調和でサプライズが全くありません。 物語展開ありきの人物設定で、残念でした。 昭和30年代に大きな水害によって祖父、母、弟、妹を失った桝山太一は、高校から故郷の穂津盆地を出て一人…

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書評 第11回小説現代長編新人賞奨励賞『あの頃トン子と』

第11回(2016年)小説現代長編新人賞奨励賞受賞作 『あの頃トン子と』 城 明 養豚業を営む40歳目前の洋一が、発育の悪い子ブタにトン子と名付け、「お手」や「お回り」などの芸を教えます。すると意外にもトン子は数日で身につけてしまいます。トン子にピンクのリボンをつけ、洋一は可愛がり始めます。 そこへ、幼馴染のマナブが帰郷してきます。頭のよかった彼は高校卒業後、家業の酪農業を嫌い、東…

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書評 第11回小説現代長編新人賞 『お師匠さま、整いました!』

第11回(2016年)小説現代長編新人賞受賞作 『お師匠さま、整いました!』 泉 ゆたか 出版されるにあたり、大幅改稿されたらしく、選評と違っているところが見られます。 年の離れた算術家の夫に先立たれた24歳の桃を語り手に、桃の寺子屋の二人の生徒――両親を災害で亡くした15歳の春、良家の才ある子女・鈴――を描きます。 和算を扱いうのですが、師匠の桃が苦手で、春と鈴が才能をめき…

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書評 第3回新潮ミステリー大賞 『夏をなくした少年たち』

第3回(2016年)新潮ミステリー大賞受賞作 『夏をなくした少年たち』 生馬直樹 小学六年の拓海、啓、雪丸、国実は小学校時代最後の想い出づくりのために、町の花火大会の日、立ち入り禁止の山に入り込み、そこで国実の4才の妹殺害事件に巻き込まれます。 その犯人探しがミステリーとなるのですが、それ自体はやや唐突で、動機も弱く、伏線もわかりやすく、リアル感がありません。 しかし、この4…

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書評 第23回日本ホラー小説大賞優秀賞 『きみといたい、朽ち果てるまで』

第23回(2016年)日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作 『きみといたい、朽ち果てるまで ~絶望の街イタギリにて』 坊木椎哉 タイトル通り「朽ち果てるまで」の展開には驚きましたし、そこからの表現力、描写力の高さに惹きつけられました。 無法地帯の町「イタギリ」で、ゴミ集めの仕事に従事する無国籍の少年晴史。ゴミの中には死体も含まれ、晴史が組む竹林老人は管理組合の職員から優先的に賃金のいい死…

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書評 第8回朝日時代小説大賞 『慶応三年の水練侍』

第8回(2016年)朝日時代小説大賞受賞作 『慶応三年の水練侍』 木村忠啓 勤王派と佐幕派がせめぎ合う幕末に、17年前の火薬爆発事故の禍根を抱く若者と、藤堂藩砲術師範の市川清之介とが水術で対決します。 そんな悠長なことをしてていいのかと思いますし、政治思想をコロッと変え勤王派に寝返った藤堂藩の裏事情に絡めていますが、少々わかりにくい。 ただひたすら、清之介が伊賀者について水術…

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書評 第6回アガサ・クリスティー賞優秀賞 『花を追え』

第6回(2016年)アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作 『花を追え 仕立屋・琥珀と着物の迷宮』 春坂咲月 少女マンガ的な始まりで、これがアガサ・クリスティー賞? と危惧したが、どんどんおもしろくなっていきました。 篠笛教室という渋い趣味の、飾り気のない女子高校生八重と、着物をこよなく愛するイケメンの琥珀の恋愛に、八重の父親の冤罪と八重自身の謎に迫るミステリーをかけています。 …

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