書評 第60回群像新人文学賞優秀作「独舞」

第60回(2017年)群像新人文学賞優秀作 「独舞」 李 琴峰(り ことみ) 台湾出身で日本で働く趙紀恵は、レズビアン。本名は名乗らず、日本風に名前を変え、日本で居場所を作りつつも、過去にとらわれています。 初めてつきあった大切な小雪との恋愛を、自分のレイプ事件を発端としてダメにしてしまい、台湾での大学生活からも何も得ることがなく、日本に逃走します。 とにかく過剰な出来事…

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書評 第8回朝日時代小説大賞最終候補作 『花天の力士』

第8回(2016年)朝日時代小説大賞最終候補作 『花天の力士(ちからびと) 天下分け目の相撲合戦』 天野行人 平安時代、藤原道長と藤原顕光はそれぞれ最強の相撲人による相撲節会に挑みます。顕光は異能の相撲人を用意し、それに対抗するために、道長は安倍清明と渡辺綱に大陸渡来人が住む秋篠の里に、相撲人を探しに行かせます。 奇しくも、顕光側の相撲人は当麻蹴速、道長側は野見宿彌それぞれの子孫。…

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書評 第16回女による女のためのR-18文学賞友近賞「月と林檎」

第16回(2017年)女による女のためのR-18文学賞友近賞受賞作 「月と林檎」 伊藤万記 肩の故障で野球ができなくなった女子高校生の早希は、美術の課題で残され、講師の塔田と距離が近くなります。 静かな筆致で描かれる女子高校生と教師の物語ですが、怪しい雰囲気 になりそうなところで留めています。それがこの小説を独自のものにしています。 塔田にしても結局は、才能がありながら画家…

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書評 第16回女による女のためのR-18文学賞大賞・読者賞 「アクロス・ザ・ユニバース」

第16回(2017年)女による女のためのR-18文学賞大賞・読者賞受賞作 「アクロス・ザ・ユニバース」 白尾 悠 父親に抑圧された女子高校生の智佳がちょっとした冒険を試みる、完成度の高い受賞作です。 地元の国立大学もA判定の智佳は、大好きなホラー映画監督の講演会を聞くために、上京します。その高速バスのなかで、それまで接点のなかった同じ学校のギャル優亜と一緒になります。 ホ…

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書評 第15回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞 『縁見屋の娘』

第15回(2016年)「このミステリーがすごい!」大賞優秀受賞作 『京の縁結び 縁見屋の娘』 三好昌子 タイトルから予想される、仲人による人情話ではなく、怪奇時代小説でした。 京の口入屋「縁見屋」は、男児が生まれず、娘は26歳で死ぬといいます。実際、一人娘のお輪の母親も祖母も曾祖母も生んだのは娘一人で、26歳で突然死にました。 そんな祟りのような、呪いのようなものにおびえなが…

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書評 第15回「このミステリーがすごい!」大賞隠し玉 『スマホを落としただけなのに』

第15回(2016年)「このミステリーがすごい!」大賞隠し玉 『スマホを落としただけなのに』 志賀 晃 派遣社員として働く麻美は、彼氏のスマホを拾った男から連絡をもらいます。結局、男とは擦れ違いのまま、スマホは手元に戻ってくるのですが、そこには大きな落とし穴がありました。 拾った男はスマホの待ち受け画像の麻美を気に入り、スマホのデータを盗み出し、ストーカーに発展します。ネットの粗い…

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書評 第52回メフィスト賞 『誰かが見ている』

第52回(2016年)メフィスト賞受賞作 『誰かが見ている』 宮西真冬 異色のメフィスト賞受賞作でとても興味深く、またストーリーにのめりこんで読みました。 ブログのなかで「あこがれの存在でいたい」千夏子は、保育園に通う子ども愛せないことで悩み、摂食障害になります。 仕事に疲れた保育士の春花は、理想のフィアンセと巡り合います。 百貨店のブティックに勤める結子は子どもがほし…

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書評 第15回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞 『県警外事課 クルス機関』

第15回(2016年)「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作 『県警外事課 クルス機関』 柏木伸介 神奈川県警外事課・来栖惟臣は「歩く一人諜報組織」と異名をとる公安捜査官。絵に描いたようなキャラクターなのですが、物語設定と展開がすさまじいので、それで十分に相殺されます。 彼が対象とするのは、朝鮮人民軍総参謀部偵察総局工作員の呉宗秀(オ・ジョンス)。尾崎陽一と名乗り、日本人にな…

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書評 第20回日本ミステリー文学大賞新人賞 『木足の猿』

第20回(2016年)日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作 『木足の猿』 戸南浩平 明治となっても友人の敵討ちのために奔走する奥井隆之。武士の魂を忘れられない。しかも彼は事故で左足の膝下を断絶し、義足となっています。木製の義足と皮膚のこすれ合いが痛々しい。 世の中では南蛮人連続殺人が起き、それに奥井と、元忍びの玄蔵が挑むという、時代小説っぽい雰囲気とハードボイルドをかけあわせています…

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書評 第15回「このミステリーがすごい!」大賞 『がん消滅の罠』

第15回(2016年)「このミステリーがすごい!」大賞受賞作 『がん消滅の罠 完全寛解の謎』 岩木一麻 ステージ4の末期がんが消える――。今や日本人の二人にひとりはがんに罹る時代なので、このテーマは興味をそそられます。 しかし、文章がまわりくどい。出版に当たって加筆されているようですが、推敲されていない文章が多く、その感覚がわかりません。 さらに医療小説なので当然説明が多くな…

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