杏里、平原綾香などのヒット曲を手掛ける作詞家による文章術。
作詞以前の言葉、文章、物語、ひらめき、感性、美意識などを
日々育てるメソッドや自由連想法、妄想プロファイリング、
エピソード・ノートなどの具体的な言葉や感性の育て方も
充実しています。その際に自分の心を客観的に見ること、
直観と深堀り、検証と、また別の視点を意識します。
これは小説を書く上でも大切な要素です。
「言葉は自分の分身」と吉元氏は言います。
感動する物語を紡ぎたい人に。
「文章の上達法」としては異色の本になります。
作家の乙一が、集英社のWEB文芸RENZABURO上に
投稿された小説をリメイクした6編の小説集。
ネット上に元の小説もアップされていますので
読み比べると、「小説」と「作文」の違いがよくわかるでしょう。
「一度落選した作品」でも書きましたが
「小説を書き直す」というのはこれくらいの改稿が必要です。
この企画はそんなに長くは続かないと思われるので、
勉強できるチャンスは今だけです。
芥川賞作家であり、数々の文学賞の選考委員を務め
大学文学部客員教授でもある著者。
大学の講義内容を元に、文章の味わい方、書き方を指南します。
テキストは小学校低学年の作文や戦前の天才少年の詩、
童話、世界の文学、哲学書、博物誌と多種多様。
そこから「素直に書くこと」「アイデア」「ひねり」
「論理」「ユーモア」「観察」「深く書く」などを学びます。
文章を味わうには読書量が必要で、書くには考察が必要。
最後に創作必携として6つのポイントを上げています。
そのなかの「書いて、指摘を受け、
そのたびごとに傷つくのはやめよう」が心に残ります。
文章を書けば、永遠に指摘を受け続けるといいます。
「文章ってこんなにおもしろくなるんだ」とワクワクする文章指南書です。
文芸評論家の福田和也による文章指南書。
「読む力」「書く力」「調べる力」の3章から成りますが
いちばん力を入れているのが「読む力」。
小説を書く上で読書は欠かせませんが、
なにを読み取り、それをどう表現しているのか、
そして書き手として小説にどう活かすことができるかまで
教示しています。文章力のつくヒントに溢れていますし、
本を読んでもよくわからない人には必読書です。
テキストに村上春樹、江国香織など現代小説から
松本清張、夏目漱石、正岡子規など。
明治学院大学国際学部の言語表現法の講義録を再編集。
13講義(実際には11)で、自己紹介、ラブレター、
憲法、演説などを学生に書かせ、
「文章とは」「ことばとは」という素朴な疑問を
プリミティブな探究によって明らかにしています。
高橋源一郎が用意するテキストもすばらしいし、
学生たちの文章も煌めくものを感じます。
特に高橋源一郎に起こったハプニングで
「ことば」の本質に迫っていきます。
相手に届ける文章、書き手の世界、自分以外の誰かになる、
詩の作者になるといった、新しい試みに満ちた文章教室です。
朝日新聞「天声人語」を13年間担当した著者が
文章の書き方の基本、実際に書く、推敲する、
文章修業をするなど、項目別に細かく、しかし的確に書いています。
谷崎潤一郎から村上春樹、姫野カオルコ、よしもとばなな、など
現代作家の文章作成方法について触れています。
特に推敲方法は詳しく、文章修業のために日頃から実践することは
参考になり、また実行しやすいでしょう。
Q&Aなので、体系に分かれていません。
文章全般に関する指南書といえます。とてもわかりやすい。
小説の書き方や新人賞の応募についても詳しいので
小説家を目指すなら絶対に読んで欲しい。
村松さんの文章に対する真摯な熱情が伝わってきて
創作へとかき立てられるでしょう。
隠喩、暗喩、直喩、擬人法、共感覚法、
くびき法、換喩、提喩、誇張法、曲言法など
30種類のレトリックについて解説。
例にとられている小説なども名文ばかりで
しかもレトリックによって、名文となっているのがよくわかります。
そのため、レトリックがよりわかりやすくなっています。
味わいのある文章を書く、
レトリックを文章に活かす、など
文章表現の幅を広げるために読みたい。
●作家になるための参考書●













