エンターテインメントなのかわからないという人がいます。
たしかに、一般文芸作品のなかで
純文学かエンターテインメントかを判断するのが
難しい作品はあります。
また、作家でも純文学、エンターテインメントの
垣根を越えて活躍している人がいます。
例えば、芥川賞は純文学、直木賞はエンターテインメントと
ジャンル分けされていますが、
芥川賞作家の絲山秋子は第133回直木賞に
ノミネートされていますし
花村萬月はエンタメ系新人賞の小説すばる新人賞を受賞して
デビューした後、芥川賞を受賞しています。
ジャンルを超えて活躍する作家がいるので
応募者は混乱してしまいます。
新人賞の選考委員も純文学、エンタメ関係なく
選考を務める作家がいます。
角田光代は文學界新人賞、すばる文学賞、小説現代長編新人賞と
両ジャンルをまたがっています。
直木賞作家の江國香織はすばる文学賞、
同じく直木賞作家の桐野夏生は新潮新人賞と
純文学系の新人賞選考委員を務めています。
こういうのも混乱のもとでしょう。
では、純文学、エンタメの分け方はどこにあるのでしょう。
一般的に純文学は娯楽性よりも芸術性を重視します。
言葉、文体、世界観、表現方法など
独自の芸術性をもった作品です。
エンターテインメントは娯楽性を重視した小説です。
読者を楽しませることを第一の目的に
物語、キャラクター、構成、謎、伏線などを作り上げます。
もちろん両方の特性をもった小説があり
それらがジャンルを超えて、存在するのも事実です。
しかし、新人賞を目指す人は、どちらかを意識して
小説を書く――自分の世界を表現できる――ようになることが
まず第一だと思います。
自分の作品がどちらのジャンルかわからないという人は
ご自身のこと、作品を客観的に判断してみてはいかがでしょう。
●作家になる方法●






