しかし、あまり本を読んだことがないという人が
たまに新人賞をとって作家デビューして
インタビューなどで「本は読みません」と言っています。
こういう人はたいてい2、3年で消えます。
消えない人は、この後、すごい努力をして、本を読んでいます。
インタビューを鵜呑みにしたり、その後もその人が
同じと考えてはいけなのではないかと思います。
読書には、質と量がありますが、
作家を目指すのなら、どちらも上げてほしい。
しかし漠然と手当たり次第に読んでいても
作家になるための読書とはいえません。
効率よく、必要な読書をしていきましょう。
まず、今まであまり本を読んでいないという方は
自分が目指すジャンルの代表作を100冊ピックアップしてください。
上下巻・シリーズは1冊と数えます。
ベストセラー、ロングセラー、人気作家などをネットで調べれば
すぐに100冊くらいピックアップできるでしょう。
本好きな人におススメを訊いてもいいでしょう。
そのジャンルの代表作とともに、そのジャンルの歴史も学べます。
どんな経緯でそのジャンルが育ってきたかがわかれば
これから書くべき小説の姿も見えてきます。
このリストを消化しているうちに
読書の習慣も身についてくるでしょう。
3分でも時間があれば、本を開くのが習慣化されます。
次に作家としての技量を上げる読書を目指します。
今まで本を読んでくれば、そのジャンルの優れた作品が
どういうものかがわかってくるでしょう。
その優れた点を作者がどのように作品に仕上げているか、
分析します。
純文学なら、まずは文体、言葉の選択、展開、
終結などを学べる作品を選び、分析してください。
エンターテインメントなら、小説を分解してみましょう。
プロット、人物関係図、キャラクターのプロフィールなど
その小説から学ぶべき面をとりあげて、分解します。
ご自分が小説を書くときも、これらの資料をつくってみてください。
学ぶことが多いでしょう。
次に、作家として求められる時代性、
新鮮さを身につけるために本を読みます。
ベストセラーは確かに技術的には学ぶ面は少ないですが
その小説がヒットする理由、受け入れられる理由があるはずです。
それをご自分なりに考えてみてください。
これは自分で読まないと身につきません。
誰かのレビューなどを読んで内容を知っても
本質はわかりません。
今、どんな作家がどんな作品を書いているかを追うのも
作家を目指す人にとっては大切な勉強です。
一人ひとりの作家を追うのは、好きな作家、好きな物語になります。
もちろん、それも大事ですから、時間をとって読んでください。
このほかに、自分の目指す新人賞が決まっているのなら
その新人賞の文芸誌、同じ傾向の文芸誌(わからなければ
受賞者が書いている文芸誌)を年間購読します。
文芸誌は多くの作家が連載をもっていたり
短編から中編までを掲載しています。
今まで読んだことのない作家や、今読まれている作家、
人気作家から大御所までの作品を読むことができます。
上手に文芸誌を活用してください。
年間定期購読を申し込めば、発売日やその翌日には
確実に送られてきます。買い忘れがありません。
一年分、先払いですので、特別編集で値段が上がった時に
元の価格で買えます。送料は無料です。
トップページの生活・情報誌>総合・文芸>小説・文芸に
文芸誌は入っています。
送料無料で届きます。
文芸誌によっては半年契約、割引価格もあります。
さらに新人賞対策として、選考委員の小説も読みましょう。
選考委員は著作も多いので、全ての著作を読むのは無理でしょう。
まずは代表作3~5作くらいを読みます。
この時に注意するのは、読者の存在です。
新人賞の選考委員は、多くの場合、人気がある作家を呼び
その新人賞の人気を上げたいという主催者の意向があります。
さらにその選考委員の読者層と同じ読者層を
獲得できるような新人作家を求めています。
選考委員がベテラン揃いであれば、自ずと読者層が高かったり
そのジャンルに精通している読者を満足させることのできる
クオリティを持つ受賞作が求められます。
選考委員が多ければ、読者層、書いているジャンルの硬軟なども
幅広くなるでしょう。
どのような作品が求められているか
選考委員の作品からも予測できるでしょう。
ぜひ、読書の習慣を身につけて
新人賞をとるための読書、
作家になるための読書を心がけてください。
●作家になる方法●






