「ただしくないひと、桜井さん」 滝田愛美
| 「子どもの居場所づくり」という新鮮な舞台ですが 自治体が行っているにもかかわらず、その後、放置されたまま というご都合主義の設定には鼻白みます。 でも、そこに集まってくるボランティア学生と小中学生の個性が 適度にリアルで、適度にインパクトがあります。 語り手の桜井さんの飄々とした子どもたちへの接し方や そこで繰り広げられる、学校と家庭の合間の 中途半端に浮いた時間のつぶし方がうまい。 しかし流しているわけではなく、きちんと子どもたちに 学生が向き合っています。桜井さんも口で言うほど 話を聞いていないわけではありませんし 周りに関心がないわけではありません。 それが適度であり、場所の中途半端さと相まって 何ともいえない味わいです。 横田大介の人生におけるキツサをさりげなく語り 星野柚希の破天荒さを爆弾のように投下しました。 そして最後の手紙にはやられました。 読者賞を取るのがわかります。 |
📖 「yom yom (ヨムヨム)」2014年6月号 [雑誌]
