「朝凪」 森 美樹
| 子どももいない、やることもない専業主婦の「私」。 夫と会話が弾まないどころか返事もない。 すべてがマンネリ化し、毎日がつまらない。 その私が唯一楽しみにしているのが 朝、洗濯物を干すときに向かいの社員寮で やはり洗濯物を干す金髪の若者の姿。 ありきたりの鬱屈した主婦を描く、ありきたりの短編。 このような主婦がいなくなる限り このような小説がなくなることはないんでしょうね。 金髪の若者が、著者の勝手で動いているように 思えてなりません。 洗濯物を拾ってわざわざ届けたり 髪型を変えた(疲れた年上の)主婦に それをよく見せろと要求したりするでしょうか。 これが主婦の妄想だったら、もう少し共感できるのですが。 小説の冒頭部分は、主婦がベランダにいるのか キッチンにいるのかわかりにくいし、 ラストで夫が小骨を出すが、このメニューに小骨が 紛れるところがない。これは何かの意図があるのでしょうか。 唯一、テレクラのバイト(これもありきたりの設定ですが)で 主婦がトマトをつぶすのはおもしろい。 ただ彼女は生きるための何かを掴み始めている、 そんな予感はさせます。 前向きに終わるのだけが救いです。 |
