「マンガ肉と僕」 朝香 式
| 肉とスナック菓子で生きている熊堀が 強烈でおもしろい。 女子大生なのにお風呂にも入らず、 臭いがするのも、すごいですよね。 よく知らなかったのですが、マンガ肉というのは 架空の食べ物で、しかし一部のマニアには焦がれるような商品。 これをコンビニで売っている設定にしたのにも 作者の物語をおもしろくしようという意気込みが感じられます。 熊堀と対照的な本多菜子の存在を 小説の前半と後半でそれぞれ際立たせ 物語をさらにおもしろくしています。 語り手のワタベくんは語るだけであって 存在感は薄い。この薄さが今の男子っぽい。 あくまでも主人公は熊堀なのですね。 ずうずうしくて臭くて嫌な女の熊堀が 愛すべき存在になる終盤は素晴らしい。 こんなにもしなやかに女は生きられると この受賞作は教えてくれます。 短い枚数のなかで簡潔に、しかし過不足なく 熊堀を生き生きと描ける筆力に魅力を感じました。 今後の活躍が期待できる新人作家の誕生です。 |