「落選になった作品を別な賞に再応募するのはムダである」
というのがあります。
その理由として
1 落選した作品には、落選する理由があり、
それを直さない限り、どこの賞でも落選するので、ムダ。
2 下読みといわれる第一次選考者が
別の賞の下読みも掛け持ちしていて
同じ人に当たる頻度がかなり高い。
少々の手直しで応募すると最悪の場合
「この作品は一度落選したものを再び応募したもの」
として、落とす。
確かにこの理由は頷けます。
また、私のところにもそのような質問のメールがよく届きます。
でもこのブログを読んでいる人にとって
小説を書くというのはおそらく「初めて」か
「書き始めて2、3年」という人が圧倒的だと思うので、
その人たちに向かって
この理由は乱暴すぎるとも感じています。
確かに新人賞応募原稿には、書き直してもダメだろうな
と思われるテーマや題材を選んでいることもあります。
例えば、流行の題材をモチーフにしたもの。
純愛が流行れば純愛、癒しが流行れば癒しなど。
人気映画や人気テレビドラマの二番煎じのような作品など。
しかし小説初心者にとっては
「小説を書くこと」そのものが
わかっていない場合が多いのです。
思いつきをそのまま書いていて、テーマやモチーフ、
構成も練られていないような作品です。
つまり掘り下げが足りない。
そのような小説に対しての態度、アプローチを変えない限り
どんなに多くの小説を書いてもそれこそムダです。
ご自分が「これ!」と思ったテーマや題材を
一度とことん書く。
出来上がったものを第3者に評価してもらい、
そのうえでさらに書き、最終的には自分で納得できるまで書く。
そうしてようやくおぼろげながら「小説を書くこと」が
見えてくると思います。
ですから新人賞に落選した作品が
すべてダメというわけではないのです。
小説の書き方、小説へのアプローチが
間違っている場合もあります。
ひとつの作品をとことん書くことは絶対に必要です。
ただ、最近の傾向として、他の新人賞に応募した作品は
大きく手直しをしても「使い回し」として
落選させる傾向にあります。
ひとつの小説しか書けないとデビュー後、続かないからです。
出版社としては即戦力になる新人作家が欲しいので
デビュー後、1年以内に新作が書けない作家は避けたいからです。
このふるいを避けるには
同じ作品を別の新人賞でも連続して応募しないことです。
ほかの小説を書き、それを応募してから
落選した作品を応募するようにして、ムダな応募を避けてください。
●新人賞のとり方●





