2013年01月04日

小説指南書 ★★★★

小説の基本的な書き方、ルールについては知っていて当然のことです。
またたくさんの小説の書き方を知っていれば、新たな小説のアイディアも沸いてきます。

オススメ度 ★★★★


高校文芸部の女子3人がリレー形式で小説を書き、新人賞に応募する青春小説。読書家の男子部員が編集者の役割を果たし、視点、人称、ストーリーの起伏、文章を綴るコツ、エピソードの作り方、推敲などの解説、読書による技巧の勉強方法などを盛り込んで、物語が進みます。初めて小説を書く人に向けたエンターテインメント小説の指南書です。
夏合宿で売れないプロの小説家と一緒になったり、応募した原稿を下読みした評論家からの批評が聞けたり、とご都合主義は小説の趣旨だから仕方がないでしょう。それでも小説作法を入れても浮かず、物語も読ませる内容にまとめています。
この評論家の批評は一次選考に落ちてしまう作品の多くに該当します。一次落選の人には参考になる小説作法小説。



著者はライトノベル作家なので、一般文芸の小説指南としてはその分を割り引いて読む必要があるでしょう。
それに人生経験をそのまま小説にしても新人賞はとれませんし、小説としてほとんど失敗します。人生経験を小説にするには経験と知識に加え、創造力と文章技術、読書量が必要です。
しかし、創作ノート、マインドマップ、ハコ書き、プロット、キャラクターシートなどが具体的で取り組みやすい。これらをやらずに書き始めても途中で挫折します。
視点、説明とエピソード、描写の違いなど、初心者がやってしまう間違いもわかりやすく説明しています。
本書で新人賞をとるのは難しいですが、小説をまず一作書くための指南書といえるでしょう。



「陰陽師シリーズ」や『大江戸釣客伝』など大ヒットを書いてきた夢枕獏が、その執筆秘話、手順などから創作技術を伝授しています。
朝日カルチャーセンターでの講義を元に補講を加え、まとめた指南書です。
特に歴史小説を書く上では参考になります。独自の世界を作り出すノウハウ、資料のまとめ方、アイデアの探し方・捨て方、主人公や巧妙な嘘(フィクション)など、おもしろい物語を作るポイントは勉強になることばかり。
クオリティの高い小説を書き続けるコツ、趣味を創作に活かすなど、他の小説指南書には見られない項目もあります。
多忙な締切のスケジュール表にはびっくりしました。書くことをスケジュール化するのは、仕事や勉強と両立しながらデビューを目指す人にも参考になるでしょう。



著者は多くの実力ある新人作家を送り出しましたが
惜しまれつつも廃刊になった文芸誌「海燕」編集者。
現在は大学やカルチャースクールで小説講座を持っています。
小説家とはどんな仕事か、小説の書き方、読み方など
基本的な要素をコンパクトにおさえています。
特に、テーマの作り方として分岐点や危機を重視、
小説の構造と重層性、小説のいろいろな顔など
人の心を打つポイントを解説しています。
また、小説を書くのに大切なのは
「言葉というものの扱いにかけてのセンス」と
作家の素質にも触れます。
巻末には角田光代との対談が掲載されています。
人気作家になるまでの変遷は参考になるでしょう。
これから小説に親しんで書いていきたい、
感動させる小説を書きたい人向きの小説指南書。



60歳を過ぎて、初めて小説を書く人向きの指南書。
なにしろ文字が大きい(笑)。
自己顕示欲が強く、哲学的疑問を持ち、
会社及び社会に適応しきれず、出世もできなかった人ほど
作家には向いていると森村氏は言います。
第二の人生を作家として開花させるための方法に
大半が費やされていますが、
後半、ミステリーを中心に、純文学も
エンタメも含めた小説の書き方を伝授しています。
いちばんダメなのは「自伝を書くこと」と60歳過ぎの
小説志望者が多く陥る入口を批判。
長く書き続け、常に己の才能を開花させ続けるために
すべての作品に自己を投影させよ、と指南します。
さすがにサラリーマンから作家になった人の言葉は重い。
新人賞応募の際の注意点なども
新人賞の現在の状況を踏まえたアドバイスです。



アニメや漫画の話や設定をそのまま模倣して
小説を書きがちな小説家志望者を戒めています。
しかし文学史上、模倣は小説の方法としての役割を担ってきました。
模倣がなければ、あらゆる作品は生まれません。
ただ、パクリにならない方法があります。
巧みな摸倣や引用を使った人気作品を紹介しながら
海外小説、絵画、音楽から刺激を受けて小説を書く方法、
冒頭や一文、引用などから小説を書く方法を解説。
摸倣から脱却し、オリジナリティを確立し、
文章作成、小説スタイルの抽斗の一つとして
身につけておくと、大きな武器になるでしょう。






シナリオのセオリーを学びながら、それを小説に活かしていく
ユニークな小説創作の指南書です。
小説推理新人賞を受賞し、デビュー作から大ブレイクした
湊かなえが、この小説作法で成功しました。
本書にもインタビュー記事が掲載されています。
プロット、キャラクター作り、登場人物の名前など
映像を意識した作りは、文章を読ませるだけで
読者に想像させる力をもたせるそうです。
やってみる価値ありそう。
特にセリフ、うまいシーン作りには有効な方法でしょう。
また、ありきたりのストーリーやプロットに
ドラマチックな展開やハプニングの起こし方などを
プラスする方法を紹介しています。



『作家の条件』『文芸の条件』からエッセイを抜粋して
再編集しています。
小説の書き方について具体的な記述は冒頭の2章だけですが
ミステリーに特化した内容は、ミステリー作家を目指す人には
参考になります。特に松本清張、昭和の小説家論は
彼らがどのような道を歩き、評価を受けてきたかを語っています。
作家になりたいが不安、どのような人生を歩むか知りたい人向きです。



2005〜06年にわたって早稲田大学文学部で行った表現の講義を
再構成したもの。実際の講義の1/4ほどの分量。
具体的な小説の作り方よりも、小説や物語の表現とは、
創作の糸口の見つけ方、自分を出すということ、
視点と文体、伝えることと共感、読まれる努力といった
自らのアプローチ方法を模索する内容です。
新潮社の佐藤誠一郎氏、講談社の唐木厚氏を招いての講義では
新人賞を作ること、新人作家や作家と編集者の関係、
書籍編集や雑誌編集について語られています。
デビュー後の編集者とのつきあい方について知りたい人は参考になります。



清水良典は大学で小説創作のゼミを持っている文芸評論家。
「2週間で小説を書く」のではなく
小説を書けるようになる基礎力、心得やノウハウを
2週間で習得することを目指しています。
特に描写力をつける練習法が充実。
創作ノートの作り方、魅力がダウンするストーリー展開など
初心者向けの小説指南書です。



10人の新人小説家(伊坂幸太郎・冲方丁・乙一・
垣根涼介・粕谷知世・貴志祐介・新堂冬樹・高野和明・
戸梶圭太・渡瀬草一郎)とのインタビュー。
小説の書き方、思考から小説へ、
小説家になるべく努力する姿勢などが読み取れます。
また新人賞選考の裏話や
実際に16歳でデビューした新人作家とのチャットなど
これから新人賞を目指す人に参考になります。


作家になるための参考書
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posted by かつき at 15:23| 作家になるための参考書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする