2011年12月17日

書評 第23回日本ファンタジーノベル大賞 『さざなみの国』

第23回(2011年)日本ファンタジーノベル大賞受賞作
『さざなみの国』 勝山海百合

不漁と不作のために滅んだ村を出て
父親の元へと赴く「さざなみ」少年を中心とした中華ファンタジー。
いえ、これはファンタジーなのでしょうか。
ずいぶんと甘い評価の大賞作です。

まず「さざなみ」という日本の言葉を主人公の名前にした意図が不明。
それに猫は何のために付いてきたのか。
彼の体そのものが薬というモチーフも
中国の伝奇を読み慣れた者には新鮮に感じられない。
本場の方がもっとグロテスクです。

馬の扱いに長けたさざなみ、
その婚約者で、女性ながら剣の達人の桑折、
馬を愛する皇女とその運命など
ずっとおもしろい展開が期待できる要素があるのに
ひとつも活かすことなく終盤を迎えます。

中国を舞台にすると、活劇のような派手な言葉が躍るか
この作品のように妙な翻訳調の起伏のない言葉になるかという
欠点も気になります。
もっと普通に描けないでしょうか。

褒めるところがひとつもない。
日本ファンタジーノベル大賞にしては珍しく
凡作を選んでしまった印象です。

それだけ応募作のレベルが低かったのでしょう。
来年はこのレベルでの受賞は難しくなると思いますが
受賞のチャンスは大きいと思われます。


楽天ブックスの『さざなみの国』へ『さざなみの国』
勝山海百合
orenge-yajirushi.gif Amazon.co.jpの詳細ページ
green-yajirushi.gif 楽天Booksの詳細ページ





にほんブログ村 小説ブログ 小説家志望へ



最新のネット小説 → 人気小説ランキング