どんな漢字を使って、どんな読み方をしても
それは著者の自由です。
旧漢字を並べても、中国の簡体字を使っても、かまいません。
もちろん、そこには文芸上の意図と効果が
なければなりませんが。
大切なことは、読者に小説世界を伝えること。
そして正確な読み方を読者ができる書き方をすることです。
難しい漢字を並べ、自己満足に終わるのが
いちばんいけませんね。
小説は読者に「なにか」を伝える手段なのですから。
そのためにどんな漢字を使い、ルビはどのようにふれば親切で、
読みやすいか、考えてください。
ルビは、基本的に登場人物の名前や建築物などの固有名詞、
あるいは小説世界独特の雰囲気を出すための読み方をさせたり、
特殊な読み方の場合、章立ての初出現にふり、
あとはふりません。
章のなかに、節(せつ)があり、それが数十ページと長い場合、
一節ごとの初出現にふる、というルールでもいいです。
最近では、見開きが変わるたびにルビがふられている
歴史小説が出てきました。
あまりなじみのない登場人物を描くのなら
こういう配慮も必要なのでしょう。
ただし、全部の固有名詞にルビをふるのはNGです。
ルビは多くても煩わしいので、注意しましょう。
漢字についての注意点は、もう一つあります。
ワープロソフトを使うと簡単に漢字変換ができてしまいます。
そうすると、ふだんはひらがなで書く言葉も
漢字にしてしまったりします。
例えば、「出来る」「既に」「様(よう)に」「中々」「未だ」
「宜しく」「付いて」など。
ほんとうに漢字でいいのか、読みにくくないか、
書いている作品の雰囲気にあっているか、
考えながら漢字変換したほうがいいでしょう。
●原稿用紙の書き方●




カタカナ表記
