『少女禁区』 伴名 練(はんな れん)
数百年に一度といわれる、呪詛の才能を持つ美少女は 父親と継母殺しのため、村から忌み嫌われています。 語り手の「私」の父親が、帰る家を失った少女を引きとり、 ともに暮らすことになります。 私は彼女の「玩具」となり、彼女がひとがたの部分を 釘で打つたびに、わたしの体のその箇所が痛むのです。 彼女が釘食様の人柱に選ばれ、その罪の真実が明らかに――。 物語は、巫女や呪術がいまだ生きている村での出来事を 綴っていて、目新しさはありません。 それに、死を超えてもなお、 彼女を感じるラブロマンスにしてしまったのは残念。 もう少し独特の世界観が欲しいところでした。 しかし、雰囲気のある文章力で読ませます。 句読点の的確なリズム、緊張感のあるセリフなど魅力的な文章です。 |

伴名 練



