読者賞受賞作 「花に眩む」 彩瀬まる
| 女による女のためのR-18文学賞には珍しく ファンタジー作品です。 体に植物が生えてきて、やがて浸食されていく――。 ギリシャ神話から続くモチーフではあるものの、 個人的にこの手のものは苦手なので、あまり読んだことがなく、 かえって新鮮に感じられました。 特に高臣さんが、はなのセンイチコウの芽を食べるシーンがいい。 なにもかも包み込んでいく、植物の生命力を感じます。 ただ、おそらく、著者はこのような世界しか描けないのではないか と危惧します。 自分の世界にこだわり、美しく甘く描くのは得意ですが そこに「何があるのか」、読者に提供するには至らない。 そんな内容のなさを感じます。 しかし優秀賞の作品よりも、こちらのほうが優れていると感じました。 |