優秀賞受賞作 「溶けたらしぼんだ。」 木爾チレン
| 高校時代からの親友ゆりと同居する栞は 男性を汚いと感じ、いまだに処女です。 その彼女が学校で圧倒的な実力を持つ木山透に惹かれ 彼を落とすまでを描きます。 彼女が自分の性も、男性も受け入れる過程が AVやゆりとの同居生活の居心地よさなどを絡めながら 比較的、ご都合主義的に展開します。 欠点ばかりが目立ち、新鮮さも、才能も感じられない受賞です。 父親から逃れて、芸術大学に通い、親友と同居し しかもタクシーを日常的に使える経済力は どこからきているのでしょう。 芸術大学の課題が「きれいな女の人」というのも、 「愛がない」という教師の評価もリアルではありません。 この小説の核は、芸術活動を通して 彼女が性を通り越して、その人の才能に惹かれる、 人の本質に目覚めることだと思うのですが その土台となる芸術が全く描けていません。 この小説のいい読者にはなれませんでした。 |