「乾燥腕」 鶴川健吉
不潔なことや汚れていることに 視線がいってしまう独身男・後宮が主人公。 彼は狭いアパートの部屋に、金魚とどじょうと同居し 向かいの部屋から聞こえる男女の嬌声に悩まされています。 下の部屋の老人は自殺願望が強く、 後宮になにかと接触したがります。 勤め先の上司も不潔なら、 後宮自身もどうしようもない妄想でいっぱい。 汚さばかりが延々と続く、うんざりする小説ですが この著者の視点と描写力はおもしろい。 別の物語を読んでみたいと思わせます。 この新人作家はなにかを生み出しそうな予感がします。 |
