「自縄自縛の二乗」 蛭田亜紗子
| 自分で自分を縛りつけることで性の快楽を得る という変わったモチーフなのですが 自縛は性にとどまらず、他者との関係、生き方などの さまざまな側面も描き出しています。 一度、自縛をやめるという展開もいい。 そこから再び自分で縛り始め、よりエスカレートしていく 緊張感のある物語にぐいぐいと引き込まれます。 また、縄で縛られることの痛みや快楽、緊迫感が伝わってきて 表現力と構成力の高さを感じさせます。 セックスや自堕落な恋愛や恋人といったものを 書きつくされてきたこの新人賞が新たな面を開拓せざるを得ず こういう作品が生まれてきたともいえます。 ただのポルノではなく「文学賞」らしい新人賞へと 脱皮していると感じられる受賞でした。 |
蛭田亜紗子
