『穴らしきものに入る』 国広正人
| 冒頭のシーンで、車を洗っていて、ホースに指が入ってしまう。 しかし、たぶん、入らないでしょう。 いぶかりながら読み進めていくと ホラーというか、ユーモア小説であることがわかり そこからは楽しめました。 穴に通り抜けられる特殊な体になったことから 穴という穴に入りたくなり、我慢ができない。 人間の「欲」をシュールに描いています。 ただ文章力がいまひとつ。 最初のホースに入ってしまう指はどの指なのか。 どうして入ってしまったのか。 自転車通勤に切り替えたのは 電車に乗ると吊革の誘惑に勝てないからなのか。 読者に具体的なものが見えないシーンや 突然飛んでしまう展開についていけなくなります。 ラストの締めはうまく、ホラーに帰着します。 ストーリーを作る力はあるので 細部まで丁寧に描けば、もっとおもしろい小説になるでしょう。 |
国広正人



